今日は情報のR2第9問について解説します。
ケーブルを必要とせずに電波などを利用して通信を行う無線LAN は、信号が届く範囲であれば、その範囲内でコンピュータを自由に設置できるために、中小企業でも有用である。したがって、その特性を理解しておく必要がある。
無線LAN に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア SSIDは無線LANにおけるアクセスポイントの識別名であるが、複数のアクセスポイントに同一のSSIDを設定できる無線LAN装置の機能をマルチSSIDという。
イ 無線LANにおけるアクセス制御方式の一つであるCSMA/CA方式では、データ送信中にコリジョンを検出した場合には、しばらく時間をおいてから送信を開始することで、コリジョンを回避する。
ウ 無線LANにおけるアクセス制御方式の一つであるCSMA/CD方式では、利用する周波数帯を有効に利用するために、それをタイムスロットと呼ばれる単位に分割することで、複数ユーザの同時通信を提供することができる。
エ 無線LANの暗号化の規格であるLTEは、アルゴリズムの脆弱性(ぜいじゃくせい)が指摘されたWEPを改良したことから、より強固な暗号化を施すことができる。
解説
無線LANの特性に関する問題です。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの「マルチSSID」とは、1つのWi-Fi親機で複数のSSIDが使える機能のことです。1つの親機でアクセスポイントが1つしかない場合でも複数のWi-Fi端末(子機)を接続することは可能ですが、マルチSSIDの親機であればアクセスポイント(SSID)毎に別々の設定ができますので、異なるセキュリティ方式の子機を接続することも可能になります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イの「CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式」では、通信開始前に現在通信をしているホストがいないかどうかを確認(CS:Carrier Sence)し、他のホストが通信を行っていない場合に通信を開始(MA:Multiple Access)します。また、CSMA/CAの場合、通信できる状態と判断できても、ランダムな時間を待機してからデータを送信するようになっており衝突回避(CA:Collision Avoidance)の確率を高めます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウの「CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式」は、有線LANでのアクセス制御方式です。また、説明にある「タイムスロットと呼ばれる単位に分割することで、複数ユーザの同時通信を提供する」のは「TDMA(Time Division Multiple Access)方式」になります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エの「LTE」は、スマートフォンや携帯電話用の通信回線の規格です。また、「アルゴリズムの脆弱性(ぜいじゃくせい)が指摘されたWEPを改良した」規格はWPAになります。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。